ドイツやスペインで始まった、地域ごとに余った食べ物を持ち寄る「フードシェア」や、冷蔵庫を設置して必要な人が持ち帰る「連帯冷蔵庫」。
これらの取り組みは、食品ロスを減らす有効な手段となっています。
日本でも一時こういう動きが始まりましたが、その後広がっているとは言えません。
ならばまずは、友人やご近所とシェアすることから初めても良いかもしれませんね。
また、食料品や消耗品以外の物の場合は、出来るだけ長く使うことが一番のエコかもしれませんよ。
エコの神髄!価値を使いきる!
これもドイツの例ですが、家なら築100年や200年は当たり前、家電には20年保証が付いていて30年経っても修理して使うんだそうです。
そして本当に不要になったら、人に譲ったりリサイクルショップに出したり。
以前は日本でも、「物を大切に」という価値観があたり前でした。
家電などでも故障したら修理して使っていました。
一般の家庭でも修理するための工具一式があるのも当たり前でした。
私が子供の頃でも、ハンダゴテなどは大体の家にありました。
ラジオの回路のハンダ付けくらいは自分でやった事もあります。
この例の様に、とにかく大切に使って「価値を使いきる」ことが本当のエコだったのではないでしょうか?
ところがいつの頃からか、「使い捨て文化」が蔓延してきました。
修理なんて面倒なことするより、買い替えた方が手っ取り早い、という考え方です。
実際その方が安い場合もありますからね。
無駄の減らし方でエコを考える
もう一つドイツの例ですが、面白いのでシェアしますね。
【食卓から肉を減らすことが推奨されている】そうです。
ざっくり説明すると、牛肉を1㎏生産するには、エサとして10㎏以上の穀物(大豆やトウモロコシ)が必要。
それならトウモロコシを食べた方が無駄が少ない、という考え方です。
保存や輸送にかかるエネルギーも節約できるし、まさに無駄が減るわけですね。
面白い考え方ではあります。
ちょっと極端に感じられますが、ある意味合理的な考え方なのかもしれません。
ただ、満足度や食文化の面では、一考の余地がありますね。
ただ、ここまで極端でなくても、経済合理性だけを追究するようなことをしなければ、それで十分な気もします。
無駄を生む原因は”進化”?
SNSの登場により情報が個人で自由に発信できる昨今、「インスタ映え」という言葉が流行していますね。
ただ「いいね」数を獲得するためだけに、写真映えする料理を注文してほとんど食べずに写真を撮って帰る…
そんな人も激増しました。
その他にも節分の”恵方巻”やXmasの”チキン”、”クリスマスケーキ”など、売れ残ったら廃棄するという場合も少なくありません。
これらは流通の発展と少なからず関連があります。
これらの商品はチェーン店のスーパーやコンビニでの、そのシーズンの主力商品です。
ああいうチェーンオペレーションで運営するお店は、一般的に「欠品」はご法度なんです。
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だからどうしても品切れを恐れて大目に仕入れてしまう。
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で、シーズン商品だからイベント終了と同時に不要なものになる。
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だから廃棄する、という悪循環が生まれているんです。
日本と世界の驚くべき食品廃棄の実態
日本の食品ロスの現状は年間推計約621万トン。
これを一人あたりに換算すると、毎日ごはん茶碗1杯分を廃棄しているという計算になるそうです。
そのうち一般家庭から出る量は282万トンという驚くべき数字。
購入したにも関わらず、使い切れずに出てしまう廃棄量がこんなにあるんですね。
この背景には未だ根強い「賞味期限信仰」が存在します。
日本人の多くは潔癖なんでしょうか?
印字されている「賞味期限」をひたすら守ろうとする傾向があるようです。
私個人的には、「賞味期限」より自分の感覚を優先しますので、匂いや味に違和感がない限りは食べてしまいますけど。
こういう状況ですから日本は「廃棄大国」と呼ばれてしまうのですね。
一方世界に目を向けてみると、廃棄されている食品は、なんと年間約13億トン。
ピンとこなければざっくり言うと全世界の食品の約3分の1が捨てられているということになるそうです。
極貧で食べられない人がいる一方で、いわゆる先進国ではこんなに無駄を出している事実・・・
世界経済フォーラム、通称ダボス会議なんかでも取り上げてくれれば良いのに、と思います。
まとめ
ここまで食品廃棄に伴う”無駄”の悪い面を見てきました。
ただ、使い捨て文化でも悪い面だけではありません。
それによって生まれたビジネスもあるからです。
リサイクルショップなどが一例です。
ですからこの記事も、廃棄をただ批判するのではなく、捨てずに利用する方法を考えるきっかけになってくれたら良いなと思います。